大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和45年(オ)918号 判決

上告人

油井国子

代理人

小林澄男

苅部省三

植田義捷

被上告人

江北西部土地区画整理組合

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人小林澄男、同苅部省二、同植田義捷の上告理由第一点および第二点について。

地積更正登記は土地の表示に関する登記(不動産登記法七八条)であつて、権利に関する登記ではないから、これについては、不動産登記法六六条、五六条の適用はないのみならず、被上告人においては、本件土地の換地計画として、昭和三三年一月一日現在におけるその土地台帳地積一〇七坪と本件土地区画整理における測量増の各筆についての増加分一割増しの地積をもつて本件土地の従前の土地の地積とすることと定め、これに基づき、すでにその仮換地を指定し、本件土地の登記簿上の地積が今後更正されても、本件土地区画整理事業の施行には影響のないものであることは原判決挙示の証拠関係に照らして首肯できる。それゆえ、上告人が本件地積更正登記をするについて被上告人に対し承諾を求める本訴請求は理由がないものといわなければならない。これと同趣旨にでた原判決は正当である。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(関根小郷 田中二郎 下村三郎 松本正雄 飯村勝美)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例